なんとなく「身体によさそう」というイメージはあるのですが、その中身やそれぞれの違いについて質問されると、答えに困ってしまいます。
2015年6月に新たな仕組みとして取り入れられた機能性表示食品ですが、トクホとの違いをよく理解していないと、期待するような効果が得られないということもあるかもしれません。
そこで今回は、機能性表示食品とトクホの違いについてまとめてみました。
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目次
機能性表示食品とはいったい何?
機能性表示食品とは、簡単に言ってしまうと、トクホと呼ばれる「特定保健用食品」やサプリメントのような「栄養機能食品」と同じ性質があります。機能性表示食品・特定保健用食品・栄養機能食品の共通点は、食品に対して「機能性を表示することが出来る」ということにあります。
●機能性表示食品の特徴 機能性表示食品の特徴は、【食品の機能性に対して、科学的な根拠を示す論文などを添えて消費者庁に届け出るだけで、国の審査を受けなくても効果を表示することが出来る】という点にあります。
これは、健康志向が高まる今の日本において、効果の表示が出来る食品を国の審査を受けることなく販売することが出来るというわけですから、業者からすれば非常にメリットの高い話です。
しかも、消費者庁への届け出は、販売の60日前までに行えばよいとされているため、商品化されてから実際に販売するまでが、短期間で行えるということになります。
★栄養機能食品の場合は? 機能性表示食品同様、審査や届け出の必要がない栄養機能食品は、業者側からすれば、ハードルが低い商品です。
ただし、対象となるのがビタミンやミネラル等となっているため、食品に対しては、範囲が限定されているというデメリットがあります。
トクホ(特定保健用食品)とは?
効果を表示することが出来るものといえば、トクホと呼ばれる「特定保健用食品」があります。トクホの場合、高い信頼性があるのですが、これを表示するためには、国の厳しい審査を通らなければいけなくなります。
特にトクホでは、食品の安全性および健康効果への有効性が厳しく審査されます。
これらが国の基準をクリアしているか判断するには、臨床試験による結果が求められています。
そのため、臨床試験にかかる莫大な費用も、企業側には大きな負担となります。
さらに、申請から販売許可が下りるまでには、平均2年かかるといわれており、商品化をするにしても、これらの問題が大きなハードルとなっています。
とはいえ、これだけの審査をクリアした特定保健用食品は、「コレステロールへの吸収を抑える」など表示が出来、さらに、国が認可したことを示す許可マークを付けて販売することが出来ます。
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機能性表示食品とトクホは違いは!?
機能性表示食品とトクホの大きな違いは、審査の基準や方法にあるということがわかりました。では、実際に機能性表示食品とトクホを利用する場合、どんな点に気を付けながら利用するのが良いのでしょうか?
●科学的根拠について 機能性表示食品は、科学的根拠を示す論文などを添付して届け出れば、効果を表示した商品を販売しても良いことになっています。
でも、「科学的根拠」に関しては、現時点ではあくまでも販売責任者である企業の自己責任であるとしています。
ところが、消費者側からすれば、ネーミングのイメージからいっても、トクホ同様、身体への健康効果に国のお墨付きがあるかのような錯覚を覚えることもあります。
★国のお墨付きがあるのが「トクホ」 健康のためにより効果のある食品を積極的に摂りたいと思うのならば、臨床試験の結果をもとに国の審査を通った「トクホ」を活用するのが、基本的にはおすすめです。
★機能性表示食品は効果を過度に期待しないこと 機能性表示食品は、効果を裏付けるデータのレベルが明らかにトクホと違います。
とはいえ、商品化に向けての必要経費を抑えることが出来るということから、トクホよりも手ごろな値段で手に入るというところは、消費者にとっては嬉しいところです。
ですから、「生活習慣を見直す」または「生活習慣の改善」の動機づけとして使うというのが、機能性表示食品のおすすめの使い方です。
まとめ
機能性表示食品もトクホも、似たような表現で効果を表示していることから、消費者側からしてみれば、同じような効果が期待できると錯覚してしまいがちです。でも、中身を知っていれば、その違いについてもわかってきます。
「今のあなたが何を健康食品に求めているのか」によって、機能性表示食品とトクホをうまく使い分けていくというのが、上手な付き合い方といえるでしょう。
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