子供自身に自覚症状が出にくいという点もありますが、重大な病気が原因で貧血を引き起こしていることもあり、大人の貧血以上に注意が必要なのです。
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目次
子供の貧血で注意したい3つの病気
子供の貧血には、「鉄欠乏性貧血」「溶血性貧血」「再生不良性貧血」の3つが多くみられます。●鉄欠乏性貧血 血液を作るために最も必要なのが、「鉄」です。
この鉄が、様々な要因によって不足すると、貧血を起こします。
これが、鉄欠乏性貧血と言われています。。
■乳幼児の鉄欠乏性貧血は注意が必要です
乳幼児でも、貧血を起こすことがあります。
この場合、成長不良や発達障害、知的能力の低下にも関係することも考えられますので、十分な注意が必要です。
●溶血性貧血 血液中には、「赤血球」が存在しますが、これが何らかの原因によって破壊されると、本来の赤血球の寿命が短くなると言われています。
これが原因で起きる貧血を、溶血性貧血といいます。
■溶血性貧血は、先天性と後天性がある
≪先天性溶血性貧血≫
国内で見られる先天性の溶血性貧血の中では、比較的多くみられるものです。
「遺伝性球状赤血球症」とも言います。
軽度の場合は、貧血症状が出ないこともあります。
≪後天性溶血性貧血≫
ウイルスやマイコプラズマなどの感染や膠原病、悪性腫瘍、薬物などが原因で、赤血球が破壊されることにより起こると言われています。
「自己免疫性溶血性貧血」とも言われます。
●再生不良性貧血 最も性質が悪い貧血といわれており、1972年には特定疾患(難病)に認定されています。
原因はいくつか考えられているのですが、現時点では特定されていません。
かつては、重症患者の1年以内の生存率は30%といわれていました。
現在では、治療によって全治または大幅な症状の改善が図れるようになっているそうです。
また、骨髄移植を行えば、重症患者であっても、8割が5年以上生存できるところまで進歩してきているそうです。
子供の貧血で気になる主な症状は!?
子供の貧血の場合、貧血の原因となる病気の種類によって、症状に多少の違いは見られます。ただし、基本的には、次のような症状が貧血の症状としてあらわれると言われています。
●顔色が悪い 赤血球が不足することによっておこる症状です。
場合によっては、むくみが見られることもあります。
●疲れやすい 貧血を起こすことによって、血液中の酸素の値が下がり、全身に酸素がいきわたらなくなるために起こる症状です。
●食欲不振 血中の酸素濃度が下がるため、消化器官の働きが悪くなり、食欲不振を引き起こします。
●頭痛・めまい これも、酸素不足によっておこる症状です。
●動悸 心臓を正常に動かすためには、大量の血液が必要になります。
ところが、貧血によってこれが不足してしまうと、心臓への負担が増加し、動悸が起こりやすくなります。
場合によっては、微熱を伴うこともあります。
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子供の貧血を防ぐには!?
子供の場合、自分の体の不調をうまく表現できないものですから、貧血の症状に気が付くのも、防ぐのも、やはり親の役割が重要になります。●授乳時に気を付けること 母乳は、もともと血液から出来ています。
ですから、母親が貧血状態であると、健康な母乳を提供することが難しくなると言われています。
また、授乳中の母親も貧血になりやすいですから、それぞれを防止するためには、次のようなことが大切になります。
■栄養バランスの良い食事を三食取る
乳児の場合、母乳に含まれる栄養素が不足することによって貧血を引き起こすと考えられています。
そのため、多くの場合、その貧血の原因は「鉄欠乏性貧血」であると考えられます。
鉄欠乏性貧血の予防には、タンパク質や鉄だけでなく、造血効果が期待できるビタミンB12やB6、葉酸なども積極的に摂るとよいと言われています。
■水分補給をしっかり行う
血液がドロドロの状態では、健康な母乳を作ることは出来ません。
血液サラサラを心がける事はもちろん必要ですが、こまめに水分を補給することも大切です。
■十分な睡眠
授乳期の子どもを持つ母親の多くは、睡眠不足を訴えます。
たしかに、夜中の授乳やおむつ替えなど、赤ちゃんの世話は一日中休む暇がありませんので、睡眠不足になりやすい状況ではあります。
ですが、疲労によって母体に貧血が起こり、結果として母乳の鉄分が不足してしまうこともあります。
意識して睡眠をとるように心がけることも、乳児の貧血予防に効果があります。
●幼児・子供の貧血を見逃さないためのポイント 身体に現れる症状について話が出来る年齢になったとしても、子供の場合、上手く症状について表現できていないこともあります。
とはいえ、重大な病気が原因で貧血が起きている可能性もありますから、日々のチェックの中で注意していくことが大切です。
■受診のタイミングは?
子供の貧血は、症状が分かりにくいものですが、「顔色が悪い」「掌の色が白い」などは、典型的な貧血の症状とみてよいでしょう。
そのほかにも、「落ち着きがない」「イライラする」「食欲がない」「集中力がなくなる」などの症状もあります。
とはいえ、これらの症状があったとしても、貧血が原因ではないこともあります。
ですが、子供の貧血は、気が付きにくいだけに重症化しやすい点も指摘されています。
貧血の疑いがある場合は、専門機関を受診し、採血検査などで原因を調べることをおすすめします。
まとめ
貧血の多くが、血液中の鉄が不足したことによっておこるものだと言われています。普段の食生活を見直し、正しく栄養素が取れるようにすることだけでなく、取り入れた栄養素の吸収を阻害させないように、健康な体づくりを意識するようにすることが、何よりも大切ですね。
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