年賀状を出すタイミングなどに、この松の内というキーワードが関係していたような、それ以外でも子供の頃、親に言われていたことがあったような…。
たしかに、知っているようであまり知られていないのが、松の内。
そこで今回は、松の内の意味や由来についてまとめてみました。
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目次
松の内の意味や由来とは
松の内とは、簡単に説明すると、「正月の松飾りを飾っておく期間」ということになります。正月の松飾りといえば、正月の神様である年神様を自宅に迎えるために飾る門松のことで、昔は、元旦から1月15日までの期間を松の内の期間としていました。
今では、地方によって松の内の期間は異なります。
西日本では従来通り1月15日までとするのが一般的ですが、東日本では七草がゆを食べる1月7日までとするのが多い傾向があります。
●15日→7日へ短縮されるようになった由来 元々は15日間あった松の内の期間が、7日間に短縮されるようになった由来には、徳川家光と関係があるといわれています。
この時代の鏡開きは、松の内が終わった後の1月20日に行われていました。
ところが、将軍様である徳川家光が、4月20日に亡くなって以降、江戸幕府のある関東地方では、「20日」を忌日として避けるようになります。
そのため、忌日を避け、1月11日に鏡開きを行うようになります。
ところがこの日程だと、松の内の期間内に、鏡開きを行うということになってしまいます。
「さすがにこれはまずい」と考えた江戸幕府は、松の内そのものを、1月7日まで短縮することで、この矛盾を解消することにしました。
ただし、この風習は江戸幕府から発せられたものではあるのですが、全国には広まらなかったため、地域によって松の内の期間が異なるという状況が生まれてしまったようです。
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松の内に行う行事とは?
松飾りを飾っておく期間が、松の内ということは分かったと思いますが、それ以外でも松の内だからこそ行うことがあります。●鏡餅を飾る お正月にやってくる年神様は、玄関に飾られた門松を目印に各家庭へとやってきますが、家にたどり着いた年神様が、滞在中いらっしゃる場所というのが、鏡餅です。
神様は、鏡に宿るといわれているため、正月の期間は、鏡の形をした鏡餅に年神様は宿るといわれているのです。
●お節料理を年神様へお供えする 正月といえばお節料理を食べるというイメージがありますが、これは正しい表現ではありません。
正しくは、「年神様へお節料理をお供えする」となるのです。
なぜ、お節料理を食べるようになったかというと、「年神様へお供えしたものだから食べるようになった」というのが正解!
もともと、神様に一度お供えしたものには、不思議な加護が備わっているといわれているため、神様の加護がついたお供え料理を食べて、一年の祈願をするということなのです。
●お年玉は神様の魂 お年玉の「玉」は、「魂」のことをいいます。
神様が宿る場所である鏡餅を、下げるということが、お年玉の意味であり、かつては、鏡開きをした餅を、家族みんなにふるまったというのがお年玉のルーツにあります。
なにしろ、神様が宿ったもの、神様のために準備したものには、不思議な力が宿っていますから、それを分けていただくというのは、とてもご利益のある事。
そのため、丸い形をした薬などを配ったということもあったそうです。
そのうち、丸い形をした貨幣に変わったものが、いつの間にか、その金額だけがどんどん上がってきてしまったということなのでしょう。
まとめ
松の内ってなんとなくのイメージしかないかもしれませんが、こうしてみてみると、「お正月の神様が家に居る期間」ということになるようですね。だから、年賀状はお正月の神様がいる松の内までに出したり、門松は松の内が終わってから処分するといわれたりしているのです。
知っているとちょっと自慢が出来る、お正月にまつわる松の内の話。
ぜひ正月、家族が集まった時などに披露してみてくださいね!
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