その存在を知らない人はいないとは思うのですが、意外とどんな意味なのか、きちんと考えたことがないという人もいるのでは?
そういうものほど、子供の関心は集まりやすく、お出かけの最中に「ママ、あの大きな紐みたいなもの、なんであそこについているの?」なんて質問が突然やってくることも…。
そんなときでも慌てないために、今のうちにしめ縄について復習しておきましょう♪
今回は、子供でも理解が出来るように、こども目線でしめ縄について解説していきますよ!
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目次
しめ縄とはいったいどんな意味があるの?
しめ縄は、神道において、現世と神域を隔てる結界としての役割があります。これを、子供に説明をしてもわかるように、もう少し簡単に解説してみます。
●神さまはとってもたくさんいる 日本にいる神さまは、とってもたくさんいます。
日本に住んでいる神さまは、「やおよろずの神(八百万の神)」というくらい、いろいろな種類の神さまがいます。
だから、それぞれの神さまが住んでいる場所も、いろいろな場所があります。
たとえば、雲の上には雷の神さまがいるし、海には海の神さまがいます。
森の中に行けば木の神さまもいるし、山には山の神さま、地面の中には地の神さまもいます。
でもその神様は、どれもとっても偉い人。
だから、すぐそばに神様はいるのだけれど、神さまが住んでいる場所には、人間は住むことはできません。
それでも神さまと一緒に住んで、ずっと見守っていてほしいと思った昔の人は、神さまが住んでいる場所に、神さま以外の人が入ってはいけないということをみんなに知らせるために、目印をつけることにしました。
それが、しめ縄です。
●しめ縄の向こう側は神様のおうち しめ縄がついている場所は、神さまのおうちと人間が住むことが出来る場所を分ける目印。
だから、しめ縄がある場所の向こう側は、神さまのおうちで、「人間が住んでいる場所とは違いますよ」という意味があるのよ。
●どうして神社の中で騒いだらいけないの? しめ縄がついている場所の中は、神さまのおうちだよ。
神さまだって、とっても優しい時もあれば、怒ると怖い時もあるの。
じゃあ、ちょっと考えてみて?
もしも、あなたのおうちの中でおともだちがおもちゃを散らかしたり、大声で叫んでいたらどうする?
嫌な気持ちがするし、怒りたくなるよね。
神さまも同じだよ。
ただね、神さまにはいろんな力があって、怒るとどんなことが起こるかわからないんだって。
だから、しめ縄がついている神社の中で騒ぐのは、いけない事なのよ。
しめ縄の由来とは?
しめ縄は、天照大神の天岩戸の話が関係しているといわれています。そこで、この話を子供にしてみると、しめ縄の意味が分かりやすいかもしれません。
●天岩戸の神隠れ 昔々、イザナギという男の神さまとイザナミという女の神さまがいました。
この二人の神さまは結婚し、最初に女の子のアマテラス、次に男の子のスサノヲの二人の子どもを産みます。
お姉さんであるアマテラスは、太陽の神さま。
だから、普段は空の国(高天原)に住んでいました。
ある日、お父さんであるイザナギは、弟のスサノヲに海の国を治めるように命令します。
ところがスサノヲは、あの世(根の国)の神さまであるお母さん・イザナミに会いたいといって大暴れ。
そのせいで、神さまが一生懸命作ったきれいな森や川、空や土地などが壊れてしまいました。
乱暴な弟の様子に怒ったアマテラスは、天の岩屋と呼ばれる洞窟の中へ入り、その入り口を大きな岩で戸をたて、閉じこもってしまいます。
■真っ暗になった世界
太陽の神さまであるアマテラスが岩谷の中に閉じこもってしまった世界は、一日中真っ暗になってしまいます。
すると、真っ暗な場所が大好きな悪い神さまが次々と現れ、怖いことや悲しいことばかりが起こるようになります。
そこで、大勢の神さまが岩谷の前に集まって相談します。
なんとかしてアマテラスを岩谷の外に出さなければ、いつまでたっても真っ暗な世界のままです。
■楽しいことをしてアマテラスを外に出す作戦
神さまたちは、こう考えました。
「みんなが楽しそうに過ごしていれば、一人ぼっちで閉じこもっているアマテラスも、外のことが気になって出てくるに違いない」そこで神様たちは、岩谷の前で、歌を歌ったり踊りを踊ったりして、面白おかしく大騒ぎをし始めます。
踊りの上手な神様が樽の上に乗って踊って見せると、今度は別の神さまが鳥の鳴きまねをします。
その様子があまりにもおかしくて、見ている神さまも「わっはっは」と大笑い。
みんなで笑いながら、踊り続けます。
■ついにアマテラスが登場
さすがにここまで来ると、岩谷の中に閉じこもっているアマテラスも、岩戸の向こう側の様子が気になりました。
「私がいない間に、いったいなにをみんなは楽しそうにしているの?」
そこで、こっそりと外の様子を覗こうと、アマテラスは岩戸を少し開けてみました。
「いまだ!」
そうです。
神様たちは、この時を待っていたのです。
岩戸のすぐそばで待ち構えていた力持ちの神さまが、アマテラスが戸を開けた瞬間、一気に戸を開けました。
すると、あたり一面が一気に明るくなり、暗闇が大好きな悪い神さまたちは、途端にいなくなりました。
■しめ縄登場
アマテラスが外に出てきたおかげで、やっと明るい世界が戻ってきたものの、岩戸があれば、いつまたアマテラスが中に入ってしまうかもしれません。
そこで力持ちの神さまは、重たい岩の扉をエイっと投げ捨てます。
さらに、二度と中に入れないように、岩屋の入り口にしめ縄をはり、戸をふさいでしまいました。
これが、神社の入り口でよく見かけるしめ縄の始まりとなりました。
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しめ縄の形には種類がある
しめ縄の形は、一つではありません。いろいろな種類があるので、代表的なものを紹介します。
珍しいしめ縄を実際に見せながら、子供に意味や由来を教えるのも面白いですよ。
■左末、右本
一般的なしめ縄の形です。
この形は、神社の社殿に向かって右側を上位とする考えからきていて、右側から綯い始めていくため、この形になります。
★このしめ縄が見られる神社の一例
・真清田神社(愛知県一宮市)
・椿大神社(三重県鈴鹿市)
・吉田神社(京都府京都市)
・箱根神社(神奈川県箱根町)
・笠間稲荷神社(茨木県笠間市)
■左本、右末
出雲大社のしめ縄が、左本右末の代表といえます。
左側から綯い始めていくため、一般的なしめ縄の形と左右対称になります。
★このしめ縄が見られる神社の一例
・出雲大社(島根県大社町)
・熊野大社(島根県八雲村)
・大山祇神社(愛媛県大三島町)
■めおと綯い
左右綯いの縄を対にしたしめ縄を、「めおと綯い」といいます。
このしめ縄は、鳥取県西部地区に多く見られます。
★このしめ縄が見られる神社の一例
・吉備津彦神社(岡山県岡山市)
・出雲大神宮(京都府亀岡市)
・名和神社(鳥取県名和町)
■板締め
藁を束にしてしめ縄に下げる「〆の子」が密集しているため、しめ縄の下の部分に板が貼られているように見えます。
★このしめ縄が見られる神社の一例
・水鏡天満宮(福岡県福岡市)
・水天宮(福岡県久留米市)
・香椎宮拝殿(福岡県福岡市)
・最上稲荷山妙教寺(岡山県岡山市)
・布多天神社(東京都調布市)
■中央部分が極端に太いしめ縄
しめ縄の中央部分が極端に太くなっているしめ縄です。
インパクトがあるので、初めて見ると思わず写真を撮ってしまいたくなる形です。
両端の部分は長く、柱に添わせるようにして垂らしています。
このしめ縄は、山形県の神社で多く見られる形です。
★このしめ縄が見られる神社の一例
・山居稲荷神社(山形県酒田市)
・八幡神社(山形県東田川郡)
・日枝神社(山形県酒田市)
・八雲神社(山形県酒田市)
■両端を大きく巻いたしめ縄
この形も、なかなか見かけない形です。新潟県新発田市にある古四王(こしおう)神社で見ることが出来ます。
■法螺締め
新潟県北魚沼郡にある諏訪神社で見ることが出来る、非常に珍しいしめ縄の形です。
しめ縄の中央部分が太く、さらにその部分には、太く束ねられた〆の子をかぶせるようにして飾ります。
まとめ
しめ縄は、神さまの住む世界と私たちが住む世界の境界線を表すもの。だから、説明をするときは、どうしても神さまの話が必要になります。
でも日本の神さまのお話は、子供が興味を持つようなものも多く、意外と話を聞いてくれます。
日本の神話を題材にした絵本をつかってみるなど、ちょっとした工夫をしてみるのも、しめ縄の説明をするのにはおすすめですよ。
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