酉の市(とりのいち)があります。
知っているようで、意外と知らない、酉の市。
そこで今回は、酉の市の意味や由来などを
まとめてみたいと思います。
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目次
酉の市の意味とは
日本武尊(やまとたけるのみこと)が祀られている神社などで、11月の酉の日に建つ市のことを、酉の市といいます。
主に、東京および周辺の関東エリアで多く見られるのが特徴です。
酉の市には、一の酉、二の酉、三の酉があります。
●一の酉
11月の最初の酉の日に行われる市のことを、一の酉といいます。
●二の酉
11月の第二酉の日のことを言います。この日にも、市が立ちます。
●三の酉
11月の第三酉の日のことを言います。
ただし、酉の日とは、12日に一度廻ってくるため、
その年によっては、三の酉がない年もあります。
ただし、昔から三の酉がある年は火事が多いといわれています。
■三の酉と火事を結びつける根拠とは
三の酉がある年は火事が多いという説に、明確な根拠があるわけではないようですが、
様々な説は伝わっています。
そのうちの一つといわれているのが、明暦3年に起きた
江戸の大火事にあるといわれています。
明暦3年というのは、三の酉があった年といわれており、
この時起きた江戸の火事では、江戸の大半を焼き尽くすほどの
大惨事だったといいます。
建物だけでなく、焼死者もかなりの数に上ったといわれ、
一説によると、107,046人となったといわれています。
こうしたこともあり、三の酉がある年は、江戸のまちでは、
防災意識が高まったといわれています。
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酉の市の由来とは
酉の市といえば、神社で行われるものが多いのですが、実は、寺でも行われることがあります。
そのため、神道である神社の酉の市と、仏教である寺の酉の市では、
その由来に違いがあるようです。
●神道としての酉の市の由来
神道では、大酉祭の日に行われる市を「酉の市の起源」としています。
■日本武尊がなくなった日という説
大鳥神社とも呼ばれている鷲神社の祭神とされているのが、日本武尊です。
その日本武尊は、先勝祈願は鷲宮神社、祝勝の報告を大鷲神社で行っていたといいます。
このこともあり、日本武尊がなくなったといわれている11月の鳥の日には、
大酉祭が行われるようになったといわれています。
■酉の市の熊手の由来
酉の市といえば、色鮮やかな熊手が有名ですが、これにも由来があります。
これは、浅草にある鷲神社の社伝となっている話なのですが、
日本武尊が戦勝の札参りをした際、社の前にある末に、
武具の熊手を立てかけておいたことが由来にあるといわれています。
そのこともあって、今でも酉の市では、
縁起物の熊手を買い求める人が多く集まってきます。
●仏教としての酉の市の由来
仏教の酉の市の由来として有名なのは、
浅草酉の市発祥の寺といわれている長國寺に伝わる話です。
1265年11月の酉の日に、日蓮上人が、現在の千葉県茂原市にあった小橋川家に滞在中、
国家の平穏を祈ったといいます。
すると、明星と呼ばれる金星が、突然明るく輝き、
鷲妙見大菩薩が、鷲の背に乗って日蓮上人の前に現れたといいます。
これにちなみ、仏教では、酉の日に、
鷲妙見大菩薩の出開帳が行われるようになったといいます。
その後、1771年には、浅草の長國寺にも鷲妙見大菩薩が祀られるようになり、
酉の日には、開帳されるようになったといいます。
●一般的な酉の市の由来とは
宗教的な考え方以外にも、酉の市の由来はあります。
この話から見ると、酉の市というのは、鷲大明神を祀っている農民たちによる
収穫祭が起源にあるといいます。
鷲大明神は、別名「鶏大明神」とも言い、
氏子たちは、鶏肉を食べないという決まりがあったそうです。
そのため、鷲大明神の収穫祭では、氏子たちは生きた鶏を奉納し、
祭事が終わると浅草寺観音堂の前に放つのが習わしだったそうです。
■収穫祭と農具の熊手が合体した?
この説では、熊手の由来も、収穫祭と深く関係があるといわれています。
農作物の収穫に使う農具の一つ・熊手を含め、様々な農具を並べる農業市が、
江戸の庶民の生活エリアにも進出するようになります。
これが、いつしか農業とは関係のない江戸の庶民たちの間で
「招福」としてとらえるようになり、縁起物の熊手となったといいます。
酉の市が行われる有名な神社とは
酉の市が有名な神社には、こんな場所があります。●大鷲神社
江戸酉の市の発祥神社といわれているのが、東京都足立区にある大鷲神社です。
●鷲神社
日本最大の酉の市といえば、東京都台東区にある鷲神社の酉の市です。
●長國寺
浅草酉の市発祥の寺といえば、長國寺があります。
まとめ
酉の市といえば、毎年、この時期の風物として全国区のテレビやニュースでもよく取り上げられる風景となりました。
縁起物の熊手を手にした商売人たちの姿を見ると、
年末が近づいていることを時間する人も多いでしょう。
今年は、酉の市のうんちく話を思い出しながら、
この時期ならではの市をのんびり回ってみるのも楽しいのではないでしょうか?
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