もともと中国から伝わった行事ですが、日本ではお盆の習慣と融合し、日本独自の習慣として定着しています。
実は、このお中元ですが、地域によっては贈る時期が違うということ、知っていました?
ということで今回は、お中元を正しく贈るために知っておきたい、「お中元の時期」と「お中元のマナー」についてまとめてみました。
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目次
お中元の時期は地域によって違うの?
お中元の行事自体は、中国から伝わりました。中元はもともと「三元」という行事の1つであり、中国では古くから「三元」をお祝いするという習慣があります。
三元とは、1月15日の「上元」、7月15日の「中元」、10月15日の「下元」のことをいいます。
この三元には、それぞれを司る神様がいます。
その神様は、龍王の3人の娘と人間の間に生まれた子どもであり、龍王の孫にあたります。
そんな龍王の孫である三元の神様の誕生日が、「上元」「中元」「下元」といわれています。
ちなみに、三元は1年を三等分したものではありません。
この比率は「2:1:1」(6か月:3か月:3か月)であり、いずれもほぼ満月にあたります。
さて、この三元ですが、それぞれの日付は、本来の中国の暦、いわゆる「旧暦」です。
ですから、新暦に表記しなおすと、こうなります。
・上元…旧暦1月15日なので、新暦では2月上旬から3月上旬にあたります。
・中元…旧暦7月15日なので、新暦では8月上旬から9月上旬にあたります。
・下元…旧暦10月15日なので、新暦では11月上旬から12月上旬にあたります。
ではここで、中元の時期に関するもう一つの件について触れておきましょう。
日本の中元の習慣は、中国の三元ともう一つが融合して現在の形になっているということはわかりました。
その「もう一つ」というのは、一体何なのでしょう?
それが、仏教の習慣である「盂蘭盆会」、つまりお盆の習慣です。
お盆というと、ご先祖様へお供え物をし、半年の報告とあいさつを行う行事です。
そのため、先祖への挨拶のために親戚が大勢集まります。
いつしか、先祖供養のために集まった親戚への挨拶や無事の確認も、お盆の重要な要素として加えられるようになり、中国の三元と融合して、日本独自の中元の習慣へと発展していったのです。
ここまで説明すると、なんとなく気が付いてきますよね?
そうなんです。
日本の中元の習慣には、「中国の三元」と「日本の盂蘭盆会」が混ざって出来上がっているため、地域での「中元」の解釈によって時期に違いが出るということなのです。
では、その時期の違いについて触れておきましょう。
中元を贈る時期の違いは、関東と関西の2つに分けられます。
まず関東では、中元は7月初旬から15日までが時期にあたります。
これに対して関西では、お盆を8月に行うため、8月初旬から15日までが時期にあたります。
このようにお盆を行う時期によって、中元を贈るタイミングには1か月ほどの違いがありますので、注意しておきましょう。
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お中元のマナーって?
お中元には、贈る時期だけでなく、知っておきたいマナーもあります。●手渡しが基本 現在のお中元は、かつてのような安否確認が主な目的ではなく、「今後も継続的なお付き合いをしてくださいね」という気持ちを込めた挨拶ですから、手渡しが基本になります。
●贈る時期を間違えた場合 うっかり贈る時期を間違えてしまった場合でも、きちんと挨拶の品を贈ることはできます。
この場合、「中元」ではなくなりますが、次のようにすればマナー違反になりません。
■暑中見舞い(暑中御見舞)
一般的には、このようにすれば問題ありません。
■残暑見舞い(残暑御見舞)
関東では、暑中見舞いより「残暑見舞い」の方が一般的です。
■目上の方へ贈る場合
目上の方へ贈る場合は、暑中見舞いは「暑中御伺い」、残暑見舞いは「残暑御伺い」とするのがマナーです。
●喪中でも贈ることはできる 中元は、「日頃のお礼」が目的にありますから、双方どちらが喪中であっても、差支えはありません。
ただし、忌中の場合は、「不幸から日が浅い」ということもありますので、「時期をずらす」「無地熨斗にする」「中元という表現を避ける」などを参考にするのが一般的です。
●新婚の場合は… 新婚世帯の場合、仲人や媒酌人をお願いした方への中元は、最低3年間必要です。
まとめ
お中元には、「中元」の解釈によって贈る時期が違うという見落としがちな注意点があることがわかりました。とはいえ、「感謝の気持ちを贈る」というのが原点にありますから、先方が喜んでいただけるものをしっかりと選ぶということが大切になります。
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