同じ「祇園」がつく夏祭りといえば、日本三大祭りの1つといわれている京都の「祇園祭」が有名ですが、博多祇園山笠だって有名さであれば負けてはいません。
実は、博多祇園山笠は、700年以上の歴史を持つ、国指定重要無形民俗文化財に指定されている祭りなのです。
では、この博多祇園山笠は、いったいどんな魅力がある祭りなのでしょう?
一度も九州を訪れたことがない人でも、これを読めばきっと福岡に行ってみたくなる、そんな博多祇園山笠の魅力について今回は紹介していきます。
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目次
2018年の博多祇園山笠の日程や見所は?
女人禁制の男祭りである博多祇園山笠は、なんといっても迫力ある山笠行事が魅力です。祭りのスタートは、7月1日に行われる「注連下ろし」の行事からとなりますが、ここから老い山笠が行われる7月15日までが、博多祇園山笠が行われる日とされています。
今回は、博多祇園山笠の魅力をぜひ体験してみたいという人のために、おすすめの行事のスケジュールを紹介しておきましょう。
●7月12日 追い山笠ならし 追い山笠ならしは、15日に行われる追い山笠のリハーサル行事でもあります。
追い山笠当日と同じように、一番山笠を先頭に「櫛田入り」し、約4㎞のコースを全力で舁きます。
まずは、ここから博多祇園山笠の雰囲気を味わうのもよいでしょう。
●7月13日 集団山見せ 明治通りにある呉服町交差点から福岡市役所のある天神までの、約1.3㎞を舁いていきます。
博多祇園山笠には、7つの流がありますが、このすべての舁き山が一堂に会すのが、「集団山見せ」です。
それだけに、多くの見物客が集まってくることでも有名です。
午後3時30分から始まりますが、良い場所でじっくりと見物したい場合は、会場となる明治通りに、遅くとも1時間前には到着するようにしてください。
■穴場スポット 迫力ある舁き山を明治通りで見物するというのも良いですが、やはりあまりにも人混みがすごいという点も…。
そこでおすすめなのが、集団山見せの後に4流が立ち寄る「櫛田神社」。
実は、集団山見せが終わったあと、櫛田神社には「大黒流」「恵比寿流」「土井流」「西流」の4流が、櫛田神社で「櫛田入り」を行います。
山笠の迫力はそのままですが、隠れスポットであるだけに無料で見物することができます。
ちょっと早めに集団山見せの見物を切り上げ、櫛田神社に移動するのがおすすめです!
●7月15日 追い山笠 博多祇園山笠の一番の見せ場が、追い山笠です。
なんと追い山笠は、日も登っていない午前4時59分、各流の櫛田入りからはじまります。
そのため、どんなに朝早くても、この櫛田入りから見物するというのが、博多祇園山笠のポイント!
■桟敷席のチケットを入手せよ! 博多祇園山笠の追い山笠は、舁き手だけが盛り上がるのではありません。
見物客にとっても1年に1度のことですから、舁き手も見物する側もどちらも真剣勝負です。
そのため、熱気はもちろんですが、見せ場となる櫛田神社前の混雑はものすごいものがあります。
そこで、知っておきたいのが桟敷席です。
なんと、博多祇園山笠の桟敷席は、早い者勝ち。
そのため、地元でなくても、入手するチャンスはあるのです!
でも、簡単には入手できません。
なんと、前日の昼過ぎから桟敷席のチケットを入手するために並ぶ人もいます。
それだけ、桟敷席から見物する櫛田入りには価値があるということなのです。
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博多祇園山笠の歴史や由来とは?
博多祇園山笠は、福岡県福岡市博多区にある那珂川と御笠川(石堂川)の間の区域で行われる祭りです。地元では、「やまかさ」といって親しまれている祭りだけに、山笠が有名な祭りです。
そんな山笠の起源は、なんと鎌倉時代の1241年にまで遡ります。
この頃の博多は、島津家と豊臣家の戦いによって焼け野原でした。
そんな博多に、疫病が大流行してしまいます。
この疫病を何とかしようとたちが上がったのが円爾(のちに承天寺の開祖となった当時の住職)です。
この時、円爾が行った疫病退散祈祷というのが、一風変わっています。
なんと円爾は、町民たちが担いだ施餓鬼棚の上にまたがり、そこから水を撒いて街を清めたそうです。
これが、山笠の起源となり、今に引き継がれているといわれています。
●博多祇園山笠は女人禁制の男祭り 博多祇園山笠は、舁き手はもちろん、舁き手の詰め所にすら女性は入ることはできません。
この特徴は徹底しており、かつては詰め所の入り口には「不浄の者立ち入るべからず」と書いた立札を立てるのが風習でした。
この立て札にある「不浄の者」とは、女性だけではなく、喪中の人も含まれていましたが、一般的に不浄と表現されることの多かった女性を差別した表現という意見があることをうけ、2003年からは立て札の設置を中止するようになっています。
●山笠期間中はキュウリご法度! 山笠行事に参加する人は、行事期間中ご法度となることがあります。
それが、「キュウリを食べること」です。
思わず「なにそれ!」といってしまいそうですが、いたって真面目な理由もあるのです。
このご法度に関しては諸説あるのですが、一般的に言われているのが、山笠行事が行われる櫛山神社の神紋との関係です。
櫛山神社は、水天神系の神社のため、神紋の図柄は木瓜の花が使われています。
この木瓜の花ですが、なんとキュウリを切った時の断面によく似ているというのです。
「キュウリがご法度」というちょっと不思議な風趣なのですが、神様を大切に思う氏子たちの想いから受け継がれてきたものということだったのです。
まとめ
福岡県博多区で行われる男祭り「博多祇園山笠」は、いかがでしたでしょうか?山笠の舁き手になるのは、博多の男としての誇り。
まさに、この祭りは、九州男児としての誇りが、祭りのボルテージを引き上げる、なんとも男らしい祭りなのです。
九州へ旅行するのなら、博多祇園山笠を見ずに帰るなんてもったいない!
ぜひ、九州ならではの夏祭りを直接体験してみてくださいね。
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