お酒が飲めない子どもにとっては、
さっぱり意味が分からない
お正月の文化のように思われてしまうかもしれませんが、
長寿祈願の意味が込められているお屠蘇は、
お正月の大事な風習でもあります。
とはいえ、お正月の縁起物の説明の中でも、
最も難しい方に分類されるお屠蘇。
そこで今回は、子供でも分かる
お屠蘇の意味や由来を紹介してみます。
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目次
お屠蘇とはいったい何?
そもそもお屠蘇とはいったい何なのでしょう?●お屠蘇はただのお酒じゃない
お屠蘇は、日本酒に数種類の薬草を組み合わせた
屠蘇散(とそさん)を浸したもののことを言います。
この屠蘇散の処方は、古くは、赤朮・桂心・防風・抜契・大黄・鳥頭・赤小豆
とされていますが、現在では、白朮・山椒・桔梗・肉桂・防風・陳皮を
処方するのが一般的となっています。
ただしこの処方は、地域によっても異なります。
■白朮(びゃくじゅつ)
利尿作用・健胃作用・鎮静作用があります。
■山椒(さんしょう)
健胃作用・抗菌作用があります。
■桔梗(ききょう)
咳や痰を鎮めたり、鎮痛作用があります。
■肉桂(にっき・にっけい)
健胃作用や発汗・解熱作用があります。
■防風(ぼうふう)
発汗や解熱作用のほか、抗炎症作用もあります。
■陳皮(ちんぴ)
吐気防止作用があります。
●いつからお屠蘇を正月に飲むようになったの?
平安時代には、お正月にお屠蘇を飲む習慣があったことが記録されています。
紀貫之の『土佐日記』には、元旦に屠蘇をのんだという記述があります。
●お屠蘇のルーツは風邪の予防薬だった
屠蘇散を漬け込んだ薬酒であるお屠蘇は、
中国では唐の時代から飲まれていたといいます。
この習慣が日本にも伝えられ、江戸時代には庶民の間でも
親しまれるようになるのですが、もともとは風邪の予防役として
作られたものであったため、生薬としての効果もあります。
お屠蘇の意味や由来を子供にもわかるように説明してみる
お屠蘇には、次のような意味や由来があります●悪鬼を祓う
昔の人の寿命は大変短く、時代によっては、
女性の平均寿命が27歳だったという時代もあります。
しかも、今のように病気について詳しくわかっているわけではありませんでしたから、
原因がわからない病によって命を落とすことも珍しくありません。
その場合、悪鬼に取りつかれていると考えられ、長生きするためには、
こうした悪鬼を祓うことが大切だと考えられていました。
そのため、悪鬼を祓う力があるお屠蘇をのんで、
長生きが出来ますようにとお願いするようになりました。
●生気を蘇生させる
病気になると、悪い鬼に取りつかれて、
元気を奪われてしまうと昔の人は考えていました。
だから、悪い鬼が近づかないようにしながら、
知らないうちにとられてしまった元気を取り戻すために、
お屠蘇をのむようになりました。
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お屠蘇は飲み方にもルールがある
お屠蘇は、屠蘇器と呼ばれる専用の酒器で飲みます。この時に使われる杯は、三段重ねのものを使います。
それ以外にも、こんなルールがあります。
●若い人から飲む
長生きが出来ますようにとお願いするのがお屠蘇ですから、
年が若い人から飲むのがルールです。
これは、若い人の元気をもらって長生きをするという意味があります。
ですから、子供、大人、お年寄りの順にのんでいきます。
●お節料理を食べる前に飲む
お屠蘇は、お節料理を食べる前に飲むのがルールです。
●厄年にあたっている人は最後に飲む
厄年の場合は、年齢に関係なく、最後にお屠蘇をのむのがルールです。
まとめ
お屠蘇は、きちんとした意味や由来があるものの、最近ではなかなか見られなくなってきたお正月の習慣でもあります。
でも、きちんと意味や由来を伝えれば、
子供だってそのうちちゃんとわかってくれるはず!
せっかくのお正月の習慣ですから、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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