家中の掃除を一気に終わらせなきゃいけないだけに、
主婦にとっては結構頭の痛い作業ですよね?
でも、大掃除は煤払い(すすはらい)
とも言われているのですが、なぜこの煤払いを
年末に行わなければならなくなったのか、
その意味や由来って知っていますか?
どうせこの時期は、子どもたちから
「どうして、わざわざ大掃除しなくちゃいけないの?」
って文句を言われるはずです。
それなら今年は、しっかりと煤払いの意味や由来を子どもたちに説明して、
きっちりと大掃除を手伝わせてやりましょう!
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目次
そもそも煤払いとは何?
子供に説明するにしても、「大掃除」と「煤払い」の違いを、大人としてしっかりと知っておかなければ、説明することはできません。
●煤払いは地域によって呼び方が違う
煤払いは、その名も通り、煤を払って掃除をし、
正月の準備をするということになります。
そのため、煤払いという名前は、
事始め・正月迎え・ええことはじめ・まつならし等の名前で
呼ばれることもあります。
●煤払いは、お清めの意味がある
正月の年神様を迎えるということは、
自宅に神様をお迎えするということになります。
普段、神様は、清らかな場所で過ごされているといわれています。
ですから、正月前にはきれいに家の中を掃き清め、
しめ縄をかけて家の中に結界を作り、神様をお迎えすることが出来るように
しなければいけません。
普段からこまめに掃除をしていたとしても、
神様がいらっしゃる特別な日だからこそ、
普段掃除が出来ないような部分であっても、煤を払い清めるという行動が、
年末の大掃除につながっているのでしょう。
●掃除道具はお焚き上げする
煤払いの道具は、本来であれば、煤払いのために笹竹を刈り、
清め竹を作っておくものでした。
しかも、煤払いで使用した清め竹は、すぐには処分せず、
小正月にお焚き上げをしていました。
さすがに最近では、煤払いのために竹を刈るのは難しいですから、
この場合は、新しい掃除道具を準備して使うのでも、良いようです。
●本来は12月13日に行う行事
年末の大掃除が大晦日の日まで終わらないという人もよくあるようですが、
本来、煤払いとは12月13日に行われるのが一般的でした。
なにしろ、煤払いは、正月の神様をお迎えする前の準備の一つであり、
煤払いが終わった後、門松をたてたり、鏡餅を飾らなければいけません。
ですから、この日に行うのが、一般的なのです。
●煤払いと大掃除の違い
煤払いと大掃除は、基本的には異なるものです。
もともと煤払いは12月13日に行われますが、この日に行うのは、
あくまでも神棚や仏壇の掃除のみでした。
これは、神様をお迎えするための準備として行う宗教的行事であるため、
この日が煤払いの日と定められています。
では、大掃除はいつするのか、ということになりますが…。
これは、神棚や仏壇の煤払いの日以外で済ませるのが、通例でした。
煤払いは、時代とともにいつしか宗教的な意味が薄くなり、
新年を迎えるための大掃除としての意味が強くなってきてしまった為、
年末に行う行事であるにもかかわらず、その時期にずれが生じるように
なってきたということなのでしょう。
●煤払いの後に食べる料理
冬の寒い中、一年の間にたまってしまった煤やほこりを払い、
神様をお迎えすることが出来るように、きれいに清めなければならないのですから、
今のように便利な掃除道具がなかった時代の煤払いは、
相当な重労働だったはずです。
でも、煤払いの後にふるまわれるある食べ物を目当てに、
一生懸命汗を流していたのだとか…。
その料理というのが、「鯨汁」です。
かつての日本人は、あまり肉を食べなかったのですが、クジラの肉だけは別。
組織的な捕鯨が行われる地域もあり、
全国各地でクジラ肉を使った伝統料理がありました。
鯨の肉は、肉食をあまりしない日本人にとって、滋養強壮に良い貴重な食材です。
だからこそ、皆で煤払いを行い、神様を祀る棚を設置し、
作業に従事した人たちへのねぎらいも込めて鯨汁をふるまったのだといいます。
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煤払いを子どもたちにわかりやすく説明してみよう
●どうして煤払いっていうの?お正月になると、おうちには「お正月の神さま」がやってくるの。
でも、お正月の神さまは、普段は、神さましか住むことが出来ない場所で
暮らしているんだって。
その場所は、とってもきれいな場所で、ごみもないし、ほこりもない場所なの。
そんなお正月の神さまをおうちにおまねきするから、
お正月の神さまが過ごしやすいように、
きちんときれいにしておかなくちゃいけないの。
じつはね。
このお正月の神さまがおうちに来れるようにじゅんびをする日のことを、
「すすはらい」というのよ。
●煤払いは大掃除のことなの?
お正月の神さまは、偉い神さまだから、おうちにやってきても、
おうちの中の特別な場所ですごすの。
それが、神だな(ご家庭によっては、仏壇の場合もあります)だから、
この場所をきれいにお掃除することを、すすはらいというの。
でも、神さまがおうちに来るということは、
神だな以外の場所も神さまに見られてしまうということでしょ?
だから、神だな以外の場所も、きちんとお掃除をして、
どの場所を見られても神さまに怒られないようにするのが、
年末の大掃除なの。
でも、神だな以外の場所をお掃除するのは、とってもたいへんでしょ?
だから大掃除は、神だなをお掃除するすすはらいとは別の日にするものなのよ。
まとめ
かつて年末の大掃除といえば、主婦が計画を立てて、煤払いと別の日に行っていたものなのですが、
共働き世帯が一般的となった今、本格的な家の掃除を
計画立てて行うというのは難しくなっているのが現実。
いつの間にかに「煤払い=年末の大掃除」となってしまっていますが、
正しく子供に伝えるためには、まずは、大人の行動を改めて
考えてみる必要があるのかもしれませんね。
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