出産の兆候といえば、赤ちゃんを包んでいる羊膜が破れ、中の羊水が出てくる「破水」があります。
破水が起きると、陣痛も起こってきますので、そうなるといよいよ出産が近いことがわかります。
ところが、破水しても陣痛が来ないというケースもあります。
その場合には、陣痛を促すための陣痛促進剤を使うことがあります。
そこで気になるのが、促進剤を使わなければいけないケースのことですよね?
できれば、赤ちゃんのためにも、できるだけ薬を使わずに出産したいというのは、ママであれば誰でも願うことです。
でも、場合によっては陣痛促進剤を使わなければならないこともありますし、さらに、普通分娩を希望していても、帝王切開に急遽切り替えるということもあります。
そこで今回は、破水しても陣痛が来ない時に考えられる原因や、そのときに使われる促進剤のこと、また帝王切開になるケースについてご紹介していきます。
スポンサーリンク
目次
破水しても陣痛が来ないとき
破水には、3つのタイプがあります。一般的には、陣痛が始まり、陣痛がピークに達したころに破水するというのが多いのですが、それ以外にも「早期破水」や「前期破水」があります。
●早期破水 一般的な破水では、子宮口が開ききったあとに起こるものなのですが、早期破水の場合は、子宮口が全開になる前に起こることを言います。
とはいえ、これも特別なケースというわけではありませんので、あわてずにかかりつけの産院へ連絡し、指示に従って措置をとっていきます。
●前期破水 前期破水は、本格的な陣痛が起こる前に破水が見られることをいいます。
前期破水には、出産予定日の前日から1ヶ月までの間でも起こることがあります。
妊娠37週以降での前期破水は、正常な妊娠で生じる破水としても考えられています。
●破水しても陣痛が来ないとき 破水したのに陣痛が来ないときには、次のことが原因である可能性があります。
■妊娠周期が早い
破水のタイミングが早いと、実際に陣痛が起きるまでに時間がかかるということもよくあります。
■臍帯脱出
臍帯とは、へその緒のことを言います。臍帯脱出とは、破水が起きた後に臍帯が子宮口の外へ出てしまう状態のことを言います。
■常位胎盤早期剝離
おなかに赤ちゃんがいるのに、子宮壁から胎盤がはがれてしまうことを、常位胎盤早期剥離といいます。
これは、非常に危険な状態であり、最悪の場合は母子ともに死亡するケースもあります。
スポンサーリンク
陣痛促進剤を使うとき
陣痛が起こってもよいタイミングなのに、陣痛が来ない場合には、陣痛促進剤を使うことがあります。このときに使われる陣痛促進剤は、「オキシトシン」または「プロスタグランジン」のどちらかが使われるようです。
●オキシトシン オキシトシンは、女性ホルモンの一種で、子宮収縮を促す作用があります。
■オキシトシンを使うケース
オキシトシンは、子宮の収縮を強くすることを目的に使われる陣痛促進剤です。
そのため、微弱な陣痛が長時間にわたって続いている場合や、破水したのに陣痛がなかなか起こらない場合、予定日を過ぎてもお産が始まらない場合などに使用することが多いです。
■オキシトシンで知っておきたいこと
オキシトシンは、点滴で投与されます。
ただし、その効果は個人差があるため、投与したとしても陣痛が起きない場合もあります。
この場合、投与はいったん中止され、経過観察をしながら、翌朝再び投与を試みます。
●プロスタグランジン プロスタグランジンには10種類以上ありますが、陣痛促進剤として使われるものとしては、「プロスタグランジンE2」または「プロスタグランジンF2a」の2つになります。
どちらも、子宮の収縮を促す効果があります。
■プロスタグランジンは点滴と錠剤がある
プロスタグランジンの場合は、点滴と錠剤の2種類があります。
点滴の場合はプロスタグランジンF2a、錠剤の場合はプロスタグランジンE2になります。
■プロスタグランジンで知っておきたいこと
オキシトシン同様、プロスタグランジンでも効果が現れない場合があります。
この場合も、時間をあけて、再度投与を試みます。
帝王切開になるとき
オキシトシンやプロスタグランジンは、子宮の収縮に作用する効果が高いこともあって、促進剤として使用されています。もちろん、これらを使うタイミングは母子の健康状態および病院の方針によっても異なるのですが、いずれにしても、使用する前には事前に医師から説明があります。
安全が確認されている薬ですが、リスクがまったくないというわけではありませんので、妊婦側としては、「なぜ自分の出産で陣痛促進剤の試用が必要なのか」をしっかりと理解していなければいけません。
ですから、事前の説明の段階で不明な点や不安があれば、しっかりと質問しておくことが必要です。
●いざ使用しても効果が出ないと帝王切開になることがある 陣痛促進剤を使用しても、効果が出ないということもあります。
また、使用の続行が危険であると医師が判断するケースもあります。
この場合には、帝王切開に切り替えられます。
●陣痛が起きても、子宮口が開かないと帝王切開になることがある 陣痛促進剤によって、陣痛が始まったとしても、子宮口が開かないと帝王切開になることがあります。
●陣痛が起きて子宮口が開いても、赤ちゃんが下がってこないと帝王切開になることがある 陣痛促進剤によって陣痛がおき、子宮口が開いたとしても、おなかの赤ちゃんが産道まで下がってこないと、帝王切開になることがあります。
■実際に私、経験しました! 実は私も、出産のときに陣痛促進剤を使った経験があります。
私の場合、出産予定日の1ヶ月前に破水がおき、そのときは、通常の予定日まで安静にするように指示されました。
ところが、実際に出産予定日を1週間過ぎても、今度は陣痛がまったく来ません。
結局予定日から10日目に入院するようにいわれ、そのまま陣痛促進剤を投与し、陣痛が始まりました。
間隔も短くなり、横になっているのが苦痛なほどの痛みが襲ってきているのに、「子宮口が開かない」といわれ、その日はいったん点滴を終了。
翌朝、再び点滴を再開しました。
午前中は、投与を続けながらそのまま経過観察となったのですが、結局子宮口は開かず、昼前には、「夕方に帝王切開しましょう」と告げられ、
今度は、帝王切開の手術に向けて、あわただしく準備が始まりました。
★陣痛の痛みに帝王切開の不安、術後の痛みとの戦いにフラフラ 私の場合、陣痛がまる1日続いたあと、帝王切開となり、術後24時間は、切開部分の痛みが激しく、体を動かすことも起き上がることもできませんでした。
そのため、子供の顔を見たくても、一人、病室で鎮痛剤を投与されたまま、意識朦朧とした状態で2日間すごしました。
★切開部分がうまくくっつかないことも さらに、私の場合は、手術した部分がうまくくっつかず、痛みとかゆみがその後1ヶ月以上続きました。
入院中に行われる授乳教室も、いすに座り続けることができないほどの痛みがあり、冷や汗をかきながら真っ青な顔で初めての授乳をした記憶があります。
まとめ
予想外の事態で陣痛促進剤を使用することになり、急遽、帝王切開分娩となった私の経験からアドバイスをするとすれば、「出産には、いろんなケースがあることを知っていることが大切」という一言に尽きます。私自身も、普通分娩に関することは、いろいろな話を聞いたりマタニティクラスなどで知っていたのですが、さすがに、自分の出産で陣痛促進剤を使ったり帝王切開になるなんてことは、考えてもいませんでした。
出産を前にわざわざ不安になる材料を増やす必要はありませんが、何が起きてもあわてないで自分らしく出産に挑むためにも、いろいろなことを知っておくことはとても大切なことなのだと思いますよ。
コメント